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グリザベラの館

グリザベラの館

おすすめの一冊

             おすすめの一冊

  夏休みの読書感想文にはチト遅すぎたが、読書の秋に

 おすすめしたい一冊だ。

 それは、柳田邦夫著『元気が出る患者学』という本だ。

  

  最近、『病院や先生の選び方』...いわゆるハウ

 トゥー本が出回っているが、この本はその部類に属さな

 いのではないかと私は思う。もしかしたら、退院してから
 
 読んだからそう思うのかもしれない。


  私は、書店でこの本と出合ったとき、患者としてどうで

 あったか別の角度から見てみたいという思いと病院で働く

 事を目指している私には役立つ本だという思いが心の中に

 あった。


  この本には『患者が何を求めているか・医療従事者はどう

 あるべきか』といった医療従事者向けに書かれた部分と『患者

 としてやるべき事』といった患者向けにも書かれていた。『患

 者としてやるべき事』の中には私が実践してきた事も書かれて

 いた。もちろん、まだこの本と出合って無い時だ。


  例えば
 
  ①症状や尋ねたい事はあらかじめメモをしておく。

 →これは大いに役立った。病院に行くと緊張しがちな私にとって

 必要な事だった。

  ②医師の説明でわからない点は何度でも聞く。

 →患者さんは自分の病気と向き合う事で、自ら“病気について

 知ろう”と努力し知り始めると疑問点や心配事が出てくる。

 また、医師の説明を受けた直後はわかったつもりでも、後になって

 わかってなかったと気付く事もある。

 そんな時、私は次の診察日までに①のようにしたり、メールを

 活用している。


  ③闘病記・エッセイに親しんだり、患者会へ参加する。

 →初めは私も“どうして私だけ…”と思っていたものだが

 ネットを通して闘病記を読んだり、BBSに参加する事で

 治療に励んでいる仲間が沢山いる事を知った。勇気をもらっ

 たし、情報交換の場でもある。同じ境遇だからこそわかりあ

 える事も多い。


 

  ④病気のポジティブな側面に気付く

 →これはつい最近になって思えるようになった。“病気”を

 もつ事は、確かにマイナスかもしれないが、主治医他様々な

 医療従事者と出会えた事。医療に関心がもて、病気の事をはじめ

 医療の事を話せる同時期オペだった方、ネットで知り合った方・・・

 言い方がヘンだが、この病気のおかげで↑のような方と知り合えた

 と思う...

  ⑤視点を移して考える。~自分が患者だったら~

 →私自身、入院患者を経験をしたので、不安な気持ちや心細い気持ちが

 痛いほどわかる。もしも病院で勤めるようになった時は、『患者さんの

 目線』を忘れないでいたい。こちらは病院ボランティアで患者さんと接

 する時気を付けているが、医療従事者の仲間入りした時も心掛けたいと

 思っている。


  といろいろ書いたが、初診時からハプニングの多い私だ。

 いろんな注文(して欲しい事)を叶えていただいたのにも関わらず

 ハプニングを引き起こしていたのだから。


  オペ室の出来事が忘れられない。麻酔をかける前の出来事。
 
 緊張と恐怖で震えのとまらない足を主治医にさすっていただいた事。

 麻酔科の先生に喝を入れられた事。

 麻酔がかかってからの命綱となる器材の説明をしながら装着していく

 オペ専属の看護師のきびきびとした対応。

  患者になってみなければわからない患者さん心理や、治療とは医師

 と患者が力をあわせてするものであり、インフォームドコンセントの

 重要性がすごくわかった。


引用文献

柳田邦夫著.元気が出る患者学.東京,新潮社.2003.


 


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